夏が終わるころ。
潮の流れと格闘しながら、海底に「かにかご」を沈める漁師たち。
富山の冬の味覚「ベニズワイガニ」のシーズンのはじまりです。
水深800〜1500mの深海から水揚げされ
市場の床一面を輝くばかりの紅色で染める光景は
何度見ても、息をのむ美しさです。
Historyベニズワイガニにかかわる歴史
本格的に漁獲されはじめたのは昭和30年ごろ。「かにかごなわ漁法」を富山県魚津市の漁師・浜多虎松氏が考案したことがきっかけと言われています。それ以前に使われていた「刺し網漁法」とくらべて作業時間が短く、カニが傷つきにくいのが特徴です。鮮度が命のベニズワイガニに重宝な漁具として、県内のみならず全国に広がり、長年受け継がれてきました。
富山湾には「藍瓶(あいがめ)」と呼ばれる深い海底谷が数多く刻まれています。山間で峡谷を刻んだ急流河川が、海底にも深い谷を刻んでいるのです。沖合2~3kmで一気に落ち込む海底の地形。多くは水深300m、深い所では水深1,000mを超え、水温1~2度の冷たい日本海固有水(海洋深層水)が存在します。海底谷には河川が森から運んだ豊富な栄養分が流れ込むため、ベニズワイガニをはじめ、エビやホタルイカなどが集まり、豊かな漁場を形成しているのです。
餌となるプランクトンが豊富に存在し、漁場が港から近く短時間での水揚げも可能。そのため、富山湾で獲れるベニズワイガニはズワイガニと比べても遜色のない「甘み」と「うまみ」があり、質が良いと評判です。県民にとって、カニといえばベニズワイガニ。水揚げされたその日の夜には料亭や割烹、そして家庭の食卓までも彩ります。最近では、「高志(こし)の紅(あか)ガニ」と名付けられ、極上品には専用タグをつけ、トップブランドとして全国に出荷しています。
Spotベニズワイガニにかかわる場所
富山湾の海の幸を堪能する 海の駅 蜃気楼
蜃気楼展望スポットにあり、魚津漁港で水揚げされたばかりの旬の魚が楽しめる施設です。カニの卸問屋が県内で一番多いという魚津市。毎年2月の第一日曜日に開催される「魚津『かにの陣』」では獲れたばかりのベニズワイガニの即売やカニ鍋、浜焼きなどカニづくしのメニューが用意され、多くの来場者で賑わいます。
全国でも珍しい昼セリ見学 新湊漁港
“浜前漁場”と呼ばれるほど漁場が近く、早朝と午後1時の2回セリが行われる新湊漁港。水揚げされたばかりの魚介類が次々とセリにかけられます。セリ人の威勢の良い声が飛び交う中、真剣な表情で魚を見定める仲買人。魚市場ならではの緊張感を間近で感じられる昼せりは一見の価値ありです。
※昼セリ見学のお問い合わせ・申し込みについては、「新湊きっときと市場」へ
Productsベニズワイガニの商品紹介
富山湾産 ベニズワイガニ
冬の食卓の主役に、富山湾直送のベニズワイガニのお取り寄せはいかがでしょうか。オンライン注文は「きときと富山の産直便」で承っています。また、富山はま作でも、秋~初冬の旬の期間限定で、ベニズワイガニのメニューをご提供しています。