商品紹介

富山の冬の質感
特集Special Reports

富山のお正月

人々の心に深く根付く、「ハレとケ」。

気ぜわしさばかりが先に立つ年越しの準備。
座敷を整え、床の間をふき清め、さあ1年ぶりの天神様。
かわらぬ涼やかな眼差しに、ふと、心が穏やかになるから不思議です。
子どもたちも手伝って、鏡餅やお神酒をお供えしたら一段落。
「ハレ」の日を迎えるために積み重ねる「ケ」の日々に
本当の喜びがあるのかもしれません。

200本以上の彫刻刀、ノミを巧みに使い分けて天神様に命を吹き込む、職人技。

とっておきの海の幸、野の幸、山の幸をひとつのお椀に詰め込んで。天神様にお供えするのは、地域ごと色とりどり、わが家のお雑煮。

History富山のお正月にかかわる歴史

富山では、男子が生まれると母方の実家から天神様(掛け軸や木彫人形)が贈られます。お正月の床の間の主役は天神様。学業成就や無病息災を願い天神様をお祀りする風習は、富山の売薬さんが福井から持ち帰り広めたという説が有力で、もともと「天神信仰」が盛んな地であったため地域に根づき、各家庭で大切に受け継がれてきました。

お正月の朝は、神棚と天神様にお雑煮をお供えすることから始まります。そして、家族でかこむハレの日の食卓。子どもたちはお正月のご馳走に加えて、天神様のお下がりのお雑煮もいただきます。気になるのはお雑煮の中身。中井精一氏(富山大学人文学部日本語学研究室 教授)によると、富山はコンパクトな県にもかかわらず、地域色が明確で多様性に富むのだそう。県内を大きく3つ(東部・中央部・西部)に分けて、お雑煮を比べてみると…

県東部

黒部市生地など漁師町があるため、フクラギ(※)やサバなどの青魚をメインとした、具だくさんなお雑煮。焼いた魚をほぐしていれるのも東部ならでは。※関東圏ではハマチ。福来魚とも書く。

県中央部

富山市を主とした県中央部では、エビや魚のすり身を主役にしたすまし汁が主流。エビのかわりに鶏肉を入れる場合も。ほかにニンジン、ゴボウ、厚揚げ(焼き豆腐)、ネギなど、やはり具だくさん。

県西部

鶏肉と薬味のみなど、比較的シンプルなお雑煮。中には根付きの細ネギだけを入れる地域もあり、これは浄土真宗の拠点となる寺院が数多くあることが影響しているのだそう。

“お雑煮文化”を通して、人々がどのような環境の中で、どのような暮らしをしているのかが、浮かびあがってきます。

Spot富山のお正月にかかわる場所

井波彫刻発祥の地 真宗大谷派 井波別院 瑞泉寺

明徳元年(1390)年開創。本堂は明治18(1884)年に井波の大工や彫刻師によって再建されました。北陸の真宗木造建築の寺院としてはもっとも大きく、山門の精微な彫刻がみどころです。

繊細で豪快な伝統技を堪能 井波彫刻総合会館

欄間や獅子頭、天神様をはじめ、250年余の伝統を誇る井波彫刻の粋を集めた作品が約200点展示されています。瑞泉寺の伽藍配置をモデルに、イギリスの建築家ピーター・ソルター氏がデザインした建物も見応えがあります。

Products富山のお正月の商品紹介

井波彫刻 欄間

日本橋とやま館の観光交流サロンに飾られ、ご好評をいただいている井波彫刻の欄間。もちろん、お気に入りの欄間はご購入いただけます! 職人の技が結集した、日本が誇る伝統工芸とともに、上質な暮らしを営んでみませんか。

大寺幸八郎商店 干支シリーズ

林悠介さんデザインのブロンズ干支シリーズは、思わずほのぼのとした気持ちになるような、ころんと丸いフォルム。手のひらにちょこんと乗る小さな干支は、お正月だけではなく、年中眺めていても飽きない味わいがあります。

かぶら寿司 福丸

ブリの紅とかぶの白で、見た目もおめでたいかぶら寿司はお正月にもよく食べられています。「福丸」は、県内の契約農家から届いた甘みのあるかぶの食感とブリの旨味、そして米麹による熟成が絶妙なハーモニーを奏でる逸品です。